阪神大賞典、現役最強馬サトノダイヤモンドに迫る馬はいるのか? (2ページ目)
おそらく、阪神コースが得意で、なおかつ長距離適性も高いのでしょう。休み明け初戦からでもきっちり走るタイプですし、自身とサトノダイヤモンドと双方の状態次第では、逆転の目が今回に限ってはあるかもしれません。
阪神大賞典と言えば、ナリタブライアンとマヤノトップガン、メジロブライトとシルクジャスティス、そしてスペシャルウィークとメジロブライトなど、今でも「名勝負」として語り継がれている、実力馬同士の壮絶なデットヒートが繰り広げられてきたレースです。
シュヴァルグランはGI馬ではありませんが、重賞2勝、GI3着が2回あります。そして半姉ヴィルシーナ、半妹ヴィブロスがGI馬という良血ですから、GI馬と遜色ない実力馬と見てもいいでしょう。サトノダイヤモンドと、名勝負を展開しても不思議ではありません。そういう意味でも、楽しみなレースです。
さて、今回の「ヒモ穴馬」ですが、昨年のジャパンC(2016年11月27日/東京・芝2400m)11着以来の出走となるトーセンバジル(牡5歳)を取り上げたいと思います。
阪神大賞典に挑むトーセンバジル。「2強」にどこまで迫るか 3歳時には、春のクラシック出走を狙えるところにいながら、あと一歩で出走するまでには至りませんでした。その秋も、神戸新聞杯で3着に入線し菊花賞の出走権を得たものの、馬の成長を優先させてか、その後は休養に入ってしまいました。ただそれも、同馬への期待が高いからこそでしょう。実際、それまでのレースぶりの中で、素質の片鱗を見せることが多々ありました。
それが身になってきたのが、昨年の夏。3連勝を飾った頃です。それぞれ、着差はわずかでしたが、内容は完勝でした。
前走は、準オープンを勝ったばかりで、しかもGI。それも国内最高賞金レースと、一気にハードルを上げてしまった結果ですから、大敗も仕方がないと思います。それでも、あの経験は今年、必ず生かされるはずです。
始動戦となる今回は、前述の2頭が強敵ですが、3番手は譲れないところ。あわよくば、割って入ってくるかもしれません。
鞍上は、前回のコラムでも触れましたが、僕が個人的に好きなジョッキーである、四位洋文騎手です。彼の騎乗姿勢が一番好きなんです。彼のように格好のいい騎乗姿勢の騎手が勝つのは、見ていてとても気持ちいいものです。
今年はクラシック有力候補のお手馬もいて、高いモチベーションを保っていることでしょう。その追い風に乗って、トーセンバジルでの一発にも期待したいと思います。
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プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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