実績馬が故障、良血馬が不調...。ますます混迷「3歳牡馬ランキング」 (6ページ目)

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  • photo by Miura Koichi

 ランキング上位は以上だが、抜けた存在がいない牡馬戦線。そのため、ランク外でも高評価を得ている馬が少なくない。吉田氏は良血サトノアーサーを、土屋氏はそのサトノアーサーをきさらぎ賞(2月5日/京都・芝1800m)で下したアメリカズカップ(牡3歳/父マンハッタンカフェ)を強く推奨する。

吉田氏
「きさらぎ賞は、ひとつ前に行なわれた準オープンの芝1200m戦が1分10秒0という、かなり遅いタイムで決着したほど、相当重たい馬場になっていました。おかげで、サトノアーサーは武器である瞬発力を失って2着を死守するのが精一杯でした。メンバーのレベルを考えれば、正直負けたことは残念でしたが、本賞金を少しでも加算できたことは唯一の収穫。柔らかみのある走りで、この世代ではトップクラスの素材であることは間違いありません。今後は、確実にダービーに出走できるローテーションに変更。群雄割拠の今年のクラシック戦線において、最終的に頂点に立ってもおかしくありません」

土屋氏
「オープンの野路菊S(2016年9月17日/阪神・芝1800m)と、重賞のきさらぎ賞の勝ち馬であるアメリカズカップ。ともにラッキーな勝利という印象を持たれていますが、いずれも下したのは評判馬。単なるラッキーでは片付けることはできません。とりわけ、きさらぎ賞では差し向きの流れの中、好位から抜け出して断然人気のサトノアーサーを完全に封じました。力があることは確かで、個人的には人気の盲点のまま本番を迎えてほしいと思っています」

 このあと、トライアル戦の若葉S(3月18日/阪神・芝2000m)に、スプリングSのほか、サトノアーサーなど期待馬が多数出走を予定している毎日杯(3月25日/阪神・芝1800m)も控えている。その中から、新たに存在感を示す馬が現れるのか。「低レベル」という評価を覆(くつがえ)すような、スター候補の登場に期待したい。

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