「打倒ソウルスターリング」の有力候補はフィリーズレビュー組にいる (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Nikkan sports

 カラクレナイはデビュー戦こそ4着に敗れたが、その後は未勝利戦(2016年11月13日/京都・芝1400m)、500万条件の万両賞(2016年12月3日/阪神・芝1400m)と連勝中。父ローエングリンはGIでの勝ち鞍はないものの、産駒のロゴタイプは皐月賞馬で、マイルGIも2勝しており、カラクレナイの桜花賞での距離不安はない。吉田氏が続ける。

「ローエングリンは、自分の得意舞台や得意戦法以外は惨敗してしまうという"天才肌"でしたが、産駒にもその一発の魅力というエッセンスが詰まっています。カラクレナイも同様で、さらに追われてからぐいぐいとストライドを伸ばしていく末脚は世代トップクラス。そこは、デムーロ騎手も、川田騎手も認めていて、『(カラクレナイは)走るね。いい決め脚を持っている』と口をそろえています」

 加えて、吉田氏は昨年12月以来というローテーションにも好感が持てると言う。

「この中間には、坂路4ハロンとCW6ハロンで自己ベストの時計を記録。『いい脚は秘めているけど、まだ若い』という昨年末までの評価が、この3カ月の休養で間違いなく変わりそう。今回で権利を取得しても、これでいっぱい、いっぱいでは厳しいのですが、馬体やローテーション、それに気性の成長を考慮すれば、本番への期待も膨らみます。この馬のポテンシャルの高さに賭けたいです」

 はたして、フィリーズレビュー組から「打倒ソウルスターリング」が見込める馬が登場するのか。ハイレベルな3歳牝馬路線に、またも新たなヒロインが生まれることを期待したい。

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