驚異の末脚「まだ伸びる」。フェブラリーSに挑むカフジテイクの勝算 (2ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 ブロードアピールが、その破壊力満点の決め脚によって「個性派」と認識されたように、カフジテイクも今回のパフォーマンスによって、"個性派"の列に加わったことは間違いないだろう。実際、関西の競馬専門紙記者は、「パサパサに乾いたダートのこの距離の競馬で、この上がり時計はほぼ極限に近い」と、カフジテイクの豪脚に驚愕していた。

 とはいえ、"個性派"は"一流"を意味することはあっても、必ずしも"最強"を示すわけではない。

 そういう意味では、この週末に開催されるGIフェブラリーS(2月19日/東京・ダート1600m)は、カフジテイクが"個性派"にとどまるか、あるいはそこからもうひと皮むけるのかを占う、重要な試金石の一戦となる。

 カギを握るのは、カフジテイクの最大の武器である、その末脚だ。

 これまでも騎乗依頼を受けていたものの、タイミングが合わず、根岸Sで初めて手綱を取った福永祐一騎手は、レース後、近しい競馬関係者にこんなことを語っていたという。

「イメージどおりだった部分と、イメージと違う部分があった」

 イメージどおりだったのは、最後にすごい脚を使えること。反対にイメージと違ったのは、スタートしたあとに二の足がつかないことだという。

 どうやら、レース前の福永騎手は、ここはトライアルだから、いつもより前で競馬をさせられないものかと考えていたらしい。だが、スタート後、馬自身がまったく前に進んでいこうとしなかったというのだ。

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