今や最大の出世レース。共同通信杯から続々とクラシック馬が誕生するわけ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 そもそも、冬場の、それもGIIIでありながら、いいメンバーがそろうことが多い。過去には、アドマイヤムーン、ジャングルポケット、エルコンドルパサー、メジロブライトといった名馬も勝ち馬に名を連ねている。ものの数週間もすれば、GII弥生賞(中山・芝2000m)やGIIスプリングS(中山・芝1800m)といった、レースの格も上で、皐月賞本番と同じか、近い条件のレースがあるにもかかわらず、だ。

 その理由としては、ひとつに東京競馬場という舞台設定がある。

 3歳馬の最大目標と言えば、やはり日本ダービーである。皐月賞のみに全力投球するならいざ知らず、ダービーを狙える器であるなら、やはりその舞台となる東京競馬場のレースは前もって経験しておきたいところ。それが、本番でプラスになることは明らかだからだ。

 そういう意味では、「特に関西馬にとってはメリットが大きいレース」と、デイリー馬三郎の木村拓人記者は語る。

「新馬や未勝利、条件戦でも容易に使える関東馬はともかく、長距離輸送をともなう関西馬にとって、東京競馬場が舞台で、しかもこのクラスのレースを経験できる数少ないチャンスとなるのが、共同通信杯。もし、ここで一発回答を出せれば、いよいよダービーも現実味を帯びてくるわけですし、素質馬の多い関西馬にとっては、試金石として最適なレースであると思います」

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