フェブラリーSへの戦略が渦巻く根岸S。狙い目は人気落ちノボバカラ (2ページ目)

 着目したいのは、このフェブラリーSで善戦止まりであること。僕は、この馬のベストパフォーマンスは一昨年のGIIIプロキオンS(中京・ダート1400m)だと見ています。そう、同馬にとってのベストは1400m戦であって、一線級を相手にして勝ち切るには、マイル戦はやや距離が長いと思っています。

 ということは、本番よりも今回の根岸Sのほうが好走できる可能性が高いのではないでしょうか。おそらく、陣営もそう思っているはずです。なにしろ、昨年も、一昨年もフェブラリーSには直行していながら、今年はあえてここを使ってくるわけですからね。勝負気配がうかがえます。

 このベストウォーリアと人気を分けそうなのは、オーナーが同じベストマッチョ(牡4歳)。こちらのほうは、これから伸びる可能性を秘めた1頭です。雰囲気的には、昨年のモーニンに似ています。そういえば、モーニンも同じオーナーですね。

 ベストマッチョはちょうど1年前にデビューし、ここまでの戦績は5戦4勝、2着1回。すべて、東京のダート戦を使われてきました。まだまだ幼い面があって、前述したように変なクセがつかないよう、大事に使われてきた印象があります。

 それでも、ここまでの使われ方を見ると、フェブラリーSを意識してきたのは間違いないでしょう。今回はそのトライアル戦になりますが、賞金的にはここを勝たなければ、本番に出走できるかどうかは微妙なところ。その分、勝負度合いが増します。この点も、モーニンと同じ境遇と言えますね。

 浅いキャリアで、しかもここは昇級初戦。課題はありますが、もしその課題をクリアしてくるようなら、それこそ昨年のモーニン同様、ベストマッチョも本番で好勝負できるかもしれません。事実、その可能性は秘めていると思いますから、注目の1頭です。

根岸Sでの巻き返しが期待されるノボバカラ根岸Sでの巻き返しが期待されるノボバカラ ダート界の新たなスター誕生なるか、今年も興味深い一戦となった根岸S。「ヒモ穴馬」には、前走の敗戦で人気を落としそうなノボバカラ(牡5歳)を取り上げたいと思います。

 前走は、地方交流重賞の兵庫GT(12月28日/園田・ダート1400m)。小回りコースの大外枠だったこともあって、先手を取るのに脚を使ったうえ、終始外を回されるロスのある競馬を強いられました。結果、3着に屈しましたが、今回はスタートしてからしばらく直線が続く東京・ダート1400mが舞台。少なくとも、前走のようなことはないでしょう。

 まして、ここでは絶対的にハナを主張してくる馬が他に見当たりません。そうなれば、今度はノボバカラのペースで競馬ができるはず。東京コースの実績もあり、距離もベストですから、十分に勝ち負けが期待できます。

 鞍上は、柴田大知騎手。今回が初騎乗になりますが、スタートの上手いジョッキーで、しかも積極策が得意。ノボバカラとは手が合うと思うので、ますます楽しみが膨らみます。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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