藤田菜七子の1年目。「中央で6勝は全然足りない。自己採点は40点」 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu 倉元一浩●写真 photo by Kuramoto Kazuhiro

昨年はJRAで6勝、地方競馬で8勝を挙げた昨年はJRAで6勝、地方競馬で8勝を挙げた
――やっぱりレースはイメージどおりに、いかないものですか?

「もちろん競馬学校にいた頃から、簡単ではない、甘くないと頭ではわかっていました。ですが、実際にやってみると、それ以上に難しく、改めてすごい仕事だと実感しました。勝つジョッキーはすごいです」

――「勝つジョッキー」のすごさって、藤田騎手から見ると、どういう部分ですか?

「競馬は"馬"が走るので、強い馬が勝つのは当然ですけど、それだけではなく、スタートであったり、コース取り、位置取り、仕掛ける位置で結果も変わってきます。こういった点を自在にコントロールできるのが勝てる騎手だと思うんです。これがやはり難しいな、と」

――そういった騎手たちと一緒にレースをすることで吸収できたこと、自分に取り入れたこともあったと思いますが。

「なかなか簡単にはできないし、具体的にこれ、というものはないですが......。必要だと思ったことは人に聞きました。どの先輩方も親切に教えてくださるので。まだ、できていないことの方が多いですけど、知識というか、いろいろなケースでの"引き出し"はデビュー前よりも増えたと思います」

――あとはその増やした引き出しをどう活かすかですね。

「はい。必要な引き出しを咄嗟(とっさ)に判別して、すぐに開け閉めできればいいのですが、これも簡単なことじゃありません。頭ではわかっていても、それに対応する自分のフィジカルが十分か、馬によっても違ってきますし」

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