藤田菜七子の1年目。「中央で6勝は
全然足りない。自己採点は40点」

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu 倉元一浩●写真 photo by Kuramoto Kazuhiro


――自己採点は厳しいですが、シーズン通して楽しかった、よかった思い出はありますか。

「やっぱり、勝てたレースになりますかね。(中央での)6勝全部が印象に残っています」

――その中でも、一番印象に残っているのはどのレースになりますか?

「中央で1番最初に勝たせていただいた、福島でのレース(2016年4月10日/福島第9レース、4歳以上500万下、サニーデイズ)ですね」

――ゴール前から場内、拍手と大歓声でしたが、あれは聞こえていましたか?

「はい。とてもよく聞こえていました。デビュー戦(3月5日/中山第3レース)で2着のときもゴール前で伸びたときにすごい歓声が聞こえましたけど、やはり先頭に立った分、それよりもずっと聞こえました。なかなかこういったことはないので、とてもありがたいです」

――個人的には、中央でのデビュー戦に騎乗して2着になって、その後、勝ち星をプレゼントしてくれたネイチャーポイントとのコンビは、藤田騎手の昨シーズンを象徴するひとつかなと思うのですが。

「あの馬は自厩舎(根本康弘厩舎)の馬なので、調教もずっと乗らせてもらっていました。2着になったデビュー戦のあと、少しゲートでの駐立(ちゅうりつ)が悪くなってしまったんです。そこを改善するために、毎日毎日、雨の日もゲート練習に厩務員さんも一緒に行って、練習してきたんです。

 その成果もあったのか、コンビ3戦目のレースではゲートでも悪いことをしなかったですし、それで勝てたのはすごくうれしかったですね。レースにだけ乗って勝ったのではなく、追い切りにも何度も乗っていたので思い入れもありました。クセも事前に把握できていたので、競馬のイメージもしやすかったのもあります。ただ、勝てる騎手というのは、そういった機会がなくても、いきなり結果を出しますから、早くそうならないと、とは思っています」

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