「明け4歳・最強世代」の上位独占なるか。この1年を占う日経新春杯 (2ページ目)

 それでも、まだまだ成長の余地を残していると思います。上位馬に迫れるかどうか、それを占う意味でもここでの走りが注目されます。

 次に楽しみなのは、神戸新聞杯でサトノダイヤモンドにクビ差まで迫ったミッキーロケット(牡4歳)。こちらは、夏を越して大きな成長を見せました。菊花賞出走への権利獲りのため、神戸新聞杯(2着)では目いっぱいの競馬をしたにもかかわらず、その後の本番でも5着に入線。そこまで踏ん張れたのは、明らかに地力強化の証です。

 それから3カ月、もうワンランク成長した姿を見せるようなら、今年の注目株となるでしょうね。馬体、レースぶり、結果など、あらゆる面においてどんな変化が見られるのか、しっかりと注視したい1頭です。

 ミッキーロケット同様、そのすべてにおいて目を配りたい馬がもう1頭います。シャケトラ(牡4歳)です。

 この馬に関しては、デビュー時からずっと注目していました。というのも、デビュー戦は既走馬相手の未勝利戦だったのですが、同馬だけ何か違うオーラを放っていたからです。

 そして実際、レースも完勝。そのレースぶりは、すでにオープン馬の風格を漂わせていました。続く2戦目は3着に敗れましたが、若駒特有のソエ(※管骨骨膜炎のこと。骨膜に軽い腫れが出る)を気にしたのでしょう。

 夏を越してからは、その能力をいかんなく発揮しました。秋初戦、古馬相手の条件戦を圧勝すると、続く昇級戦の1000万下特別も快勝。完全に軌道に乗ってきましたね。

 また、普通なら秋は菊花賞を目指し、トライアルなどを使っているところですが、無理をせずに休ませて、ゆっくりと仕上げているところに、この馬への厩舎の期待の大きさがうかがえます。

 しかし、それほど大事に使ってきたにもかかわらず、今回はまだ格下の準オープンの身にあって、果敢に重賞へ格上挑戦してきました。これは、シャケトラがいよいよ大舞台を目指して動き出した証拠。もちろん、それだけの勝算が陣営にもあるのでしょう。

 キャリアが浅く、実績も格下ですが、ここまでの過程を考えると、最も注目すべき1頭かもしれません。僕自身、この馬はサトノダイヤモンド、マカヒキに並ぶ"スターホース"になれる逸材と見ています。

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