有馬記念の後にGI開催って、どーなのよ?今季のJRA日程に違和感 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu photo by Aflo


「正直『そんなに簡単にできるの?』と思っていましたが、なってしまいましたね。ホープフルSが2014年に重賞となったこと自体がGI昇格を見越してのもので、それは朝日杯フューチュリティステークスが中山から阪神に移設されたことへの補填でした。回数もそれまで阪神で行なわれていたラジオNIKKEI杯を継承する形です。しかし、継承元とは明らかにレースの質が違い、いまだにオープン特別だった当時とそれほど変わったという印象がありません。

 確かに、レイデオロ(2016年ホープフルS勝ち馬)に114をつけたハンデキャッパーの考え方も理解はできます。ただ、2、3着馬のレーティングが、そこからの着差で算出されるので、2着マイネルスフェーンが重賞2勝のブレスジャーニーと同じ111になってしまう。俯瞰で見るとやはり昇格ありきなのかなという印象を禁じえません」

 実はホープフルSの問題の裏には、12月28日の開催の事情も絡んでいるのだという。ファンにとっても、1年の締めくくりとなるドリームレース、有馬記念の後にまたGIレース開催というのは、なんとも違和感があるところだ。

「もともとは『28日に有馬記念を』というのが、JRAが馬主団体などから受けていた要望でした。それはできない中での妥協案として、ここに落ち着いたのではないかと思います。

 私個人としては、何もない年末の平日に有馬記念というのは論外ですし、28日の開催自体にも反対です。カレンダーによっては直前の週末から連闘で出走もできてしまいます。そうなると、開催事務的に前の週末とは別もので、この1日のために出馬登録も必要ですし、競馬新聞も、競馬週刊誌も作らねばなりません。厩舎スタッフの労働問題にもなります。以前、有馬記念の翌日に開催したこともありましたが、その時はこういった手間もなく、また連続性もあったので結果的にいい数字で終わることができたのです。

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