決め手不足のサウンズオブアースが有馬記念でなら狙える理由 (3ページ目)

 その前走のジャパンカップでは、5番人気で2着。昨年の有馬記念でも5番人気で2着でした。さらに、3歳時の菊花賞でも4番人気で2着という結果を残していますが、おそらく今回も4、5番人気なのではないでしょうか。そうした実績を挙げながら、成績よりも人気にならないのは、やはり勝ち切れないイメージがあるからだと思います。

得意舞台でサウンズオブアースの一発が期待される得意舞台でサウンズオブアースの一発が期待される 現に、これほど重賞で好走していながら、まだ2勝馬ですからね。かつて「シルバーコレクター」と言われたステイゴールドでさえ、そう呼ばれるまでに3勝はしていました。本来、5歳で2勝馬というと500万条件をイメージしますから、サウンズオブアースはかなり稀(まれ)な存在と言えます。

 勝ち切れない理由はいろいろとあると思います。ステイゴールドの場合は、気が悪くて最後にモタれて、それで負けていましたね。確か、並びかけた相手に噛みつきにいったこともありましたよね。

 サウンズオブアースの場合は、そんな雰囲気はなく、常に一生懸命走っているように見えます。それでいて勝ち切れないのは、展開など"運"に見放されてきた部分もありますが、勝ち切るまでの最後の決め手がないことは明らか。しかし、中山・芝2500mの舞台は、その決め手で劣るところを補えるコースだと思います。

 実際にはまだ勝っていませんが、日経賞、有馬記念と、過去にこの舞台で走ったときのサウンズオブアースが、最も惜しい競馬をしていました。言い方は悪いのですが、この舞台は"ごまかしの利く"コースです。だから、ときに大波乱が起こるんですよね。

 サトノダイヤモンドを負かすのは、並大抵のことではないと思いますが、波乱を起こす可能性を、サウンズオブアースは秘めています。今年最後の大一番に、その一発を期待するのも悪くないでしょう。

大西直宏オフィシャルブログ>

大西直宏公式LINE@始めました。
元騎手の視点で馬券のヒントになる情報をお届け!
友だち追加で「@0024n」を検索!
下のQRコードを読み取って頂くことでも見られます。

■競馬 記事一覧>>

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る