コース適性と世相で読む。有馬記念は
「3頭の伏兵馬」で懐がホッカホカ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 ということは、過去のレースと同じく、伏兵が台頭する可能性は大いにある。ならば、狙うはスローでの切れ味勝負と、ハイペースでの後方待機策の両方に対応できる馬だ。

 今年のメンバーで候補を挙げるなら、ミッキークイーン(牝4歳)とデニムアンドルビー(牝6歳)だろう。どちらも、上がり33秒台をコンスタントにマークする切れ者であり、後方から追い込むタイプと言える。

 双方のうち、今回はミッキークイーンに狙いを絞りたい。

切れ味秘めるミッキークイーンが波乱を起こすか切れ味秘めるミッキークイーンが波乱を起こすか 今年はまだ勝ち星がないが、いずれも2、3着としっかり優勝争いに加わっている。そもそも春の敗戦は、1600m戦という決して得意ではない舞台でのもの。前走のGIエリザベス女王杯(3着。11月13日/京都・芝2200m)にしても、6カ月の休み明けだった。それを踏まえれば、むしろよく走っており、今回がやっと、彼女が結果を出せるベストな条件がそろったと言える。

 もともと2015年の牝馬二冠(オークス、秋華賞)を達成した世代の"女王"。前述のダイワスカーレットや、2014年の勝ち馬ジェンティルドンナも、3歳時に牝馬三冠で活躍した馬で、そうした実績を持つ牝馬たちが有馬記念で躍動することは少なくない。

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