コース適性と世相で読む。有馬記念は「3頭の伏兵馬」で懐がホッカホカ (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 にもかかわらず、ヤマカツエースはGIでの好走実績がなく、マリアライトは直近のレースぶりが芳しくないため、人気落ちは必至。「穴馬」として、絶好の狙い目となる。特殊なコースで人気馬が苦戦するようなら、コース攻略に長けた2頭が大金星を挙げてもおかしくない。

 一方、別の観点からも穴馬候補を探してみたい。

 ここ最近の有馬記念を振り返ってみると、道中のペースが極端になるケースが多い。超スローペースになるか、タフなハイペースになるか、どちらかに偏っている。

 極端なペースになれば、当然波乱が起こる要因となる。

 例えば、2011年は6着までが上がり33秒台をマークする超スローとなり、2着に7番人気のエイシンフラッシュ、3着に9番人気のトゥザグローリーが飛び込んできた。いずれも、切れ味に秀でたタイプだった。

 また、ダイワスカーレットが逃げ切った2008年は、1000m通過が1分を切るハイペースとなった。その結果、勝ち馬を追いかけた有力馬たちは最後に脚色が鈍って失速。最後方に待機していた最低14番人気のアドマイヤモナークが2着に突っ込んできた。

 今年も、そうした極端なペースになる可能性は高い。キタサンブラックがハナを切れば、ジャパンカップ同様、ゆったりとした流れになるかもしれないし、マルターズアポジー(牡4歳)やサムソンズプライド(牡6歳)といった伏兵が大逃げを打てば、タフなレースに変貌するかもしれない。

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