天国のオーナーと母がひと押し!ゴールドアクターが有馬記念連覇へ (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 なぜスクリーンヒーローをつけたのか。寿与氏は、意外なエピソードを教えてくれた。

「本当は、障害馬を作ろうと思って(スクリーンヒーローを父に)選んだんですよね。ヘイロンシンが障害で活躍したので、その能力を生かそうと。それで、障害レースは3000m級の長距離が多いことから、とにかく中・長距離で活躍した種牡馬がいいと考えました。スクリーンヒーローはジャパンカップ(東京・芝2400m)を勝っていましたからね、スタミナがあると思ったんです。でもまさか、そういう考えで生まれてきた子が、有馬記念で優勝するなんて......。いまだに不思議です(笑)」 

 こんなふうに生まれた小牧場のサラブレッドが、昨年の有馬記念(2015年12月27日)を制した。このときのことはまだ記憶に新しいが、寿与氏にはもっと印象深いレースがあるという。それは、初のGI制覇を果たす一走前、GIIアルゼンチン共和国杯(2015年11月8日/東京・芝2500m)だ。

「2014年の菊花賞(2014年10月26日/京都・芝3000m)で3着になったとき、『来年は有馬記念を目指そう』と話していました。1年後、ゴールドアクターはまだオープン馬になったばかりでしたから、ファン投票で有馬記念に出るのは厳しい状況。となると、賞金的にこのアルゼンチン共和国杯を勝たなければなりませんでした」

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