天国のオーナーと母がひと押し!ゴールドアクターが有馬記念連覇へ (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

「キョウワアリシバ自身はアメリカから来た超良血馬で、ある調教師も『現役時に見て惚れ惚れした』と言っていたんです。また、親父が昔持っていたキョウワアリシバ産駒が、よく走ったんですよね。ヘイロンシンはその一頭で、オープンクラスの障害レースを勝ってくれました。キョウワアリシバには思い入れがありましたし、ゴールドアクターにもその力が現れている気がします」

 キョウワアリシバの姉は、アメリカのGIケンタッキーオークスの2着馬ウィズオールプロバビリティであり、父アリシーバは当時(1980年代後半)のアメリカ歴代賞金王になった名馬である。それゆえ、キョウワアリシバは世界的な良血馬として、鳴り物入りでデビューしている。

 要氏、そして寿与氏に引き継がれた思いや情熱によって、ヘイロンシンは北勝ファームに居続けた。彼女が息を引き取ったのは、今年の12月1日。なかなか受胎しにくい体質だったものの、生涯の中でゴールドアクターというGI馬を送り出したことは、彼女の誇りであり、称えられるべきものだ。それは、キョウワアリシバにとっても同様だろう。

 ゴールドアクターの血統において、もうひとつ着目すべき点がある。それが父スクリーンヒーローだ。母ヘイロンシンと配合したのは、この父の種付け初年度。今でこそ、GI6勝を挙げたモーリスなどの父として大注目の種牡馬だが、当初は決して期待された存在ではなかった。

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