評価落ちの実績馬は恐い。有馬記念の歴史からマリアライトが光り輝く (4ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 勝負どころで、「前にいる馬たちが楽をしていて、『やばい、このままでは逃げ切られる』と思った」という。しかも、そこまでずっとインの経済コースを通ってきたため、外側にフタをするような馬がいて、馬群を抜け出す隙間がなかった。そこで、なお一層「やばい!? もうダメか......」と思ったそうだ。が、その瞬間、「外にいた馬がスッと"消えた"」という。そこから、蛯名騎手は一心不乱に追って、前にいた馬たちを差し切った。

 今回、マリアライトが最後に欲するのも、まさに"外の馬がスッと消えてくれる"というような幸運だ。

 有馬記念は、「ああ、やっぱり......」というレースでもある。要するに、実力馬の実力を再認識させられて、レースが終わったあと、馬券を外したファンが「ああ、やっぱり」とぼやくのだ。

「ああ、やっぱりあの馬だったか。春には、ドゥラメンテも、キタサンブラックも負かした馬だもんなぁ......」

 はたして今年のレース後も、そんなぼやき声があちらこちらから聞こえてくるだろうか。

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