古馬キタサンブラック×
3歳サトノダイヤモンド。有馬はどっちが強いか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 過去10年で勝利したのはディープインパクトのみで、出走したのも4頭と少なく、2008年スクリーンヒーロー5着、2011年ブエナビスタ7着、2014年エピファネイア5着と、3頭は馬券にも絡めなかった。これは東京芝2400mと中山芝2500mにおける適性の違いと、状態をピークに保って、2戦続けて能力を出し切る過酷さと難しさを物語っていると言えるだろう。

 ただ、キタサンブラックの場合は近年敗れた馬たちに比べると、余裕を持ってここまで進んできた印象。この秋の2戦は京都大賞典もジャパンカップも良馬場で、1000m通過が1分を超えるスローペースとなり消耗も少なかった。京都大賞典からジャパンカップまでも十分な間隔があったので、反動も少ないだろう。さらに、中山コースの実績も4戦2勝、3着2回と安定。昨年もゴールドアクターから0秒1差の3着だった。昨年は初騎乗の横山典弘騎手だったが、今回は6戦連続騎乗ですっかり名コンビとなった武豊騎手が騎乗。好走の条件は揃ったと言えるだろう。あえて不安を挙げるとすれば、ジャパンカップを逃げ切ったことで他馬のマークはより厳しくなり、早めに他馬に絡まれるかもしれないという点になりそうだ。

 以上、2頭をさまざまなファクターから分析、比較したが、どちらも強調材料が多くて甲乙つけがたく、どちらを選ぶかは非常に難しいところだ。筆者の結論としては、ローテーションにより余裕があって、キタサンブラックの動きを前に見ながらレースを進められるサトノダイヤモンドを上に見たい。来年はフランスの凱旋門賞挑戦と、活躍が大いに期待されている存在なので、夢が広がるような走りを見せてほしい。

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