「地味な血統」が大化けするか。野望が渦巻く2歳牡馬ランキング (6ページ目)

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  • photo by Miura Koichi

 ベスト5のうち、重賞勝ち馬は2頭にとどまり、将来性を買った評価が今回はランキングに反映されたようだ。また、今回の牡馬ランキングでは評価が大きく割れたこともあって、ランク外でも高評価を得ていた馬が何頭もいる。エアウィンザー(牡2歳/父キングカメハメハ)、ヴァナヘイム(牡2歳/父キングカメハメハ)、ダンビュライト(牡2歳/父ルーラーシップ)らがそうだ。

吉田氏
「エアウィンザーは、新馬戦では人気を背負って中団から外を回る安全策の競馬。そのため、ルメール騎手騎乗のムーヴザワールドに内から差されてしまいましたが、それはあくまでも展開のアヤ。ムーヴザワールドとの実力差は決して大きくないと思います。ひとつ上の全兄が、今年の牡馬クラシックで善戦してきたエアスピネル。体型や、少し内向気味の走法からマイラー色が強いと判断していましたが、常に距離不安を囁かれながらも掲示板を外していないのは立派。その兄より、エアウィンザーはきれいなフォームで走り、馬体のシルエットから距離の融通がありそうなのは心強い限り。兄に負けず劣らず、いやそれ以上の素質馬かもしれません」

市丸氏
「1位に評価したカデナが勝った京都2歳Sで2着に入ったヴァナヘイムが、私の指数では2位でした。エアグルーヴの孫で、キングカメハメハ、ディープインパクト、トニービン、ノーザンテーストと、日本の大種牡馬たちが血統表に顔を出す豪華絢爛の血筋。現時点では勝ち味に遅い感じがしますが、今後成長するにつれて、大化けする可能性を秘めています」

土屋氏
「2戦1勝、2着1回のダンビュライト。消化した2戦はいずれも水を含んだ馬場で、飛びの大きいこの馬にとってはマイナス材料でした。それでいて、ともに好走していますから、良馬場ならどこまで走るのか、非常に楽しみです。父ルーラーシップ同様の成長曲線を描いていってほしいです」

 週末の朝日杯FSでは、今回ランキング入りしなかった馬たちがこぞって参戦。はたして、注目のミスエルテを下し、来春のクラシック候補に名乗りを上げる馬が出てくるのか。レースの行方をじっくりと見守りたい。

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