激戦の阪神JF、ルメールでなくてもディーパワンサは軽視できない (2ページ目)
このレースでお手馬がかぶっている中で、同馬を選んだ、というだけでも注目に値しますが、これまでに手綱を取ったことのあるサトノアラジンやラブリーデイ、そしてサトノクラウンなど、香港国際競走に参戦する馬にも乗ろうと思えば乗れたはずなのに、そちらを選択しなかったからです。
単純に、目先の進上金と名誉だけなら、おそらく香港で騎乗したほうが上でしょう。特に香港カップは、あの出走枠に名前が乗るだけでも名誉なことだと思います。しかし、それを蹴って日本で騎乗。もちろん、それはソウルスターリングがいるからで、それだけ同馬への期待が大きいのでしょう。
そういえば昨年も、香港には行かず、阪神JFでメジャーエンブレムに騎乗。結果はご存知のとおり、同レースを快勝して、翌年もNHKマイルCでGI制覇を果たしました。今年も、来年を睨んでの騎乗でしょうが、その熱意は昨年以上のような気がします。
そんなルメール騎手が見込んだソウルスターリング。どんな競馬を見せてくれるのか、楽しみでなりません。
他、重賞を勝っている前述の4頭、リスグラシュー、ジューヌエコール、レーヌミノル、ヴゼットジョリーも、上位争いが期待されます。これらはすべて乗り替わりですが、関西馬にもかかわらず、関東のジョッキーに乗り替わる2頭は、ある意味で注目だと思います。
1頭は、戸崎騎手に乗り替わったリスグラシュー。戸崎騎手と言えば、ルメール騎手と熾烈なリーディング争いを展開しています。つまり、ひとつでも多く勝ち星が欲しい状況で、本来なら"ホーム"である関東、中山で乗りたいところ。それでも、阪神まで乗りに来るということは、リスグラシューに対して、それだけの手応えを感じているのだと思います。
今回、レースでは初めての騎乗になりますが、これだけ経験のあるトップジョッキーならば、返し馬だけでもすぐに手の内に入れられるものです。にもかかわらず、どうやら戸崎騎手は1週前の追い切りで栗東まで乗りに行ったようですね。リスグラシューに対する本気度がうかがえ、有力な1頭と言えます。
蛯名騎手に乗り替わったレーヌミノルも同様です。こちらもまた、1週前の追い切りで蛯名騎手が栗東まで出向いていました。
重賞勝ちのある実績馬に、乗り替わりとはいえ、トップジョッキーが騎乗。しかも、1週前の追い切りで感触を確かめています。なおかつ、関西馬にもかかわらず、関東のジョッキーが手綱を取ります。勝負度合いが十分に伝わってきますね。
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