大混戦の香港国際競走。モーリス、エイシンヒカリは有終の美を飾れるか (4ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 では、そのエイシンヒカリが最内枠を利して逃げ切れるか。答えは否、と考える。昨年は11番枠から斜めに切れ込むように第1コーナーに入った。これによってスピードを緩めずに難関の最初のコーナーを乗り切ることができて、逃げ切り勝ちにつなげた。しかし今回は最内のため、コーナーの入りでブレーキをかける懸念が残る。この馬の武器である軽快なスピードが削がれるのではないかという心配が大きい。

 そこで、人気は承知だが、1番手にはモーリスを採る。距離の問題は完全に払拭。むしろコーナー4回なら仮に距離不安があっても、容易に乗り越えられそうだ。エイシンヒカリを常に射程圏内に入れながら、直線での爆発力で捕らえる公算が大きい。

 続いてはラブリーデイ。昨年と比較すると物足りない成績が続いているが、馬場状態など条件が揃わず、力負けではないと考えたい。鞍上には4月のクイーンエリザベス2世カップで勝ち馬のワーザーに騎乗していたヒュー・ボウマン騎手を迎えた点も魅力。昨日の敵が今日の友だ。

 3番手にブレイジングスピードと、ステファノス。ともにムラがあるが、秘める能力は上位に伍して差はない。

 エイシンヒカリにも有終の美を期待したいが、この馬の場合、勝つかドカ負けか、落差が大きい。買うなら単勝1本だろう。

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