大混戦の香港国際競走。モーリス、エイシンヒカリは有終の美を飾れるか (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 現地時間8日朝、ロゴタイプには田中剛調教師が、サトノアラジンには川田将雅騎手が騎乗して、それぞれ芝コースで単走で追い切られた。さらに翌9日にはネオリアリズムがライアン・ムーア騎手を背に、やはり芝コースで追い切られた。3頭いずれも動きから不安は感じられない。馬体重も、前走から-1kg~-3kgに収まっている。一方、地元勢はビューティーオンリー(父ホーリーローマンエンペラー、せん5歳)が+9kg、パッキングピンズ(父ピンズ、せん6歳)が-8kgという増減があった。

 展開は、まず地元のビューティーフレーム(父フットステップスインザサンド、せん6歳)が逃げ宣言をしており、果敢に先手を主張することが見込まれる。12番枠からのスタートだが、ある程度前にいたいネオリアリズムが9番枠におり、簡単には前を譲らないはず。そうすると必然的にラップは速くなることが予想される。おそらく、この流れの2、3番手にネオリアリズム、ロゴタイプとなるだろう。サンジュエリーとコンテントメント(父ユーソネット、せん6歳)がこの次の列か。大外から出走のエイブルフレンドはどこで馬群に潜り込むか。ビューティーオンリーもあまり外は回されたくない。差し馬勢ではヘレンパラゴン(父ポーラン、牡4歳)が一番ロスなく立ち回れそうだ。

 これらの展開から考えて、1番手にヘレンパラゴンを推したい。前哨戦は2馬身差の7着も、直線で完全に行き場をなくし、詰まり通しで脚を余したままだったもので、敗因は明確。フランスからの転入馬で、移籍前は2016年のフランスダービー5着、ジャンプラ賞3着とGIで実績を残してきた。格では見劣らない。

 2番手にはロゴタイプ。鞍上のミルコ・デムーロ騎手の香港での初GIタイトルはマイル戦のスチュワーズカップだった。理想的な枠順と立ち回りの巧みさを武器に、今年2つめのGIタイトルを狙う。父ローエングリンは2003年の香港マイルで3着だった。好走の土壌はある。

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