日本馬への応援を胸に秘め、
香港国際競走はこの外国馬でガッポリ稼ぐ

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 それであれば、日本の3頭のうち、サトノクラウンとヌーヴォレコルトを揃って3番手評価に挙げたい。サトノクラウンは期待された4月の香港遠征が惨敗に終わったが、これはレース直前に大雨が降ったことによる馬場悪化と入れ込みによるもの。昨年のクラシックで、ドゥラメンテが主役となるまでは、三冠候補と見られていたこの馬の実績と潜在能力は侮れない。一方のヌーヴォレコルトはタフな遠征を強いられているが、ここに来て負荷をかけるほどに力を発揮できるようになってきていると斎藤誠調教師。馬場適性は昨年の香港カップ2着で証明済みだ。

 続いて行なわれるのが、芝1200mの香港スプリント。日本調教馬にとってはロードカナロアが連覇した以外は、とにかく厚い壁となっている。今年はビッグアーサー(父サクラバクシンオー、牡5歳)とレッドファルクス(父スウェプトオーヴァーボード、牡5歳)がこれに挑む。


ビッグアーサーはスプリンターズSで1番人気を裏切ったが、香港スプリントで巻き返せるかのサムネイル画像ビッグアーサーはスプリンターズSで1番人気を裏切ったが、香港スプリントで巻き返せるかのサムネイル画像
 迎え撃つ香港勢は、昨年の勝ち馬ペニアフォビア(父ダンディーマン、せん5歳)と一昨年の勝ち馬エアロヴェロシティ(父ピンズ、せん8歳)という強力な実績馬が今年も出走してくる。ただ、現状は世代交代の端境期にさしかかっているのも事実。そういった意味では、中心となるのは芝1200mに限れば、[7-4-0-0]の上がり馬ラッキーバブルス(父シーブリング、せん5歳)と見ていいだろう。まだGIタイトルはないが、初めてのGI出走となった今年5月のチェアマンズスプリントプライズで、香港のスプリント路線の実績馬を相手に2着と好走。勝ったのはオーストラリアから遠征のシャトークァで、地元勢では最先着を果たしている。今回はいよいよGI戴冠の大きなチャンスだ。

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