日本馬への応援を胸に秘め、香港国際競走はこの外国馬でガッポリ稼ぐ (2ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 ただ、その好調ぶりを加味しても、主力となるのは欧州勢。中でもハイランドリール(父ガリレオ、牡4歳)は揺るぎない主役と見て間違いないだろう。昨年、このレースを制覇した後、今年だけで6カ国で出走。このうち2勝を挙げているが、それが "キングジョージ"とブリーダーズカップターフとだ。どちらのレースも今回と同じ距離でGI中のGIだけに、実績も格も適性も抜けていると言っていいだろう。

 展開面でのアドバンテージも大きい。枠順は10番とやや外めも、逃げ宣言をしているビッグオレンジ(父デュークオブマーマレード、せん5歳)が内の7番枠で、序盤で前をカットされる心配がない。ハイランドリール自身も強力な先行力を持っており、ビッグオレンジにとっては、終始強力なプレッシャーを受けることになると同時に、後続もハイランドリールを追いかけた場合、逆に潰されることが見込まれる。調整も順調そのもので、人気であっても逆らう理由が見つからない。

 ハイランドリールに待ったをかけられるとすれば、このレースで過去10勝を挙げているフランス調教馬。中でもシルバーウェーヴ(父シルバーフロスト、牡4歳)がその1番手と見ていいだろう。GI サンクルー大賞(サンクルー競馬場・芝2400m)、GIIフォワ賞(シャンティイ競馬場・芝2400m)とフランスにおけるこの距離の主要競走を連勝。凱旋門賞(シャンティイ競馬場・芝2400m)こそ13着と大きく敗れはしたが、その後は早くからここを目標に調整されており、巻き返しは十分ある。

 ただし、同じフランス勢でもガルリンガリ(父リンガリ、せん5歳)とワンフットインヘヴン(父ファストネットロック、牡4歳)はやや割引で考えたほうがよさそうだ。前者はこれが46戦目というタフネスながら、8月以来の出走で仕上がりにやや不安。後者は香港入りしてから血液検査で異常値を示したために馬場入りを中止。間際での調整に狂いが生じている。

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