ここ10年で驚異の勝率5割。阪神JFはこの「4~5番人気馬」で勝つ

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 2歳牝馬の女王を決めるGI阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。12月11日/阪神・芝1600m)。来春のクラシックを見据えたこの戦いは、将来性豊かな3頭が主力を形成することになりそうだ。

 ここまで2戦2勝、父は海外GI10勝のフランケルで、母も海外GI6勝のスタセリタという超良血のソウルスターリングに、前走のGIIIアルテミスS(10月29日/東京・芝1600m)を快勝したリスグラシュー、そしてGIIデイリー杯2歳S(11月12日/京都・芝1600m)を勝ってデビュー3連勝を飾ったジューヌエコールといった面々だ。

 しかし、この3頭で"鉄板"なのか。阪神JFの歴史を振り返ってみると、意外な馬が台頭し、波乱を演出していることが多々ある。何より、まだ若くて、繊細な2歳牝馬である。いくら能力があっても、常にそれを発揮し切れるとは限らないのだ。

 そこで、過去10年の結果を参考にして、今年金星を挙げそうな伏兵馬を探っていきたい。

 まず特筆すべきは、過去10年の勝ち馬は、阪神JFに臨むまでの過程で3着以内を外した馬が1頭もいない、ということだ。2008年のブエナビスタ、2009年のアパパネ以外は、連対(2着以上)さえ外したことがなかった(※ブエナビスタ、アパパネはともに新馬戦で3着)。

 そのうえで興味深いのは、このレースでは1~3番人気に推される"最有力候補"には及ばないまでも、それに近い評価を得た馬が好成績を残していること。実際、この10年で1~3番人気が5勝しているが、4~5番人気の馬も5勝を挙げているのだ。

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