オトコ勝りの「怪物娘」も出現。
超ハイレベルな2歳牝馬ランキング

  • text by Sportiva
  • photo by Murata Toshiyuki


 そんなハイレベルな2歳牝馬にあって、1位となったのはミスエルテ。父は近年の欧州最強馬の1頭で、その初年度産駒から"大物"が出てきた印象だ。デビュー2連勝を飾って、それぞれのレースで出色のパフォーマンスを披露。2歳のGI戦では牝馬同士の戦いではなく、牡馬混合の朝日杯フューチュリティS(12月18日/阪神・芝1600m)へと向かうほどの"器"だ。

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「馬なりで後続を2馬身突き離した新馬戦、後方から軽めに追われただけで、1頭だけ次元の違う脚を見せて突き抜けたファンタジーSと、デビュー2戦を見て、ケタ違いの印象を受けました。この馬なら、牡馬相手でもかなりやれると思いますが、実際に牡馬相手にどんな競馬を見せるかで、この世代の牝馬、牡馬それぞれのレベルがある程度わかってくるのではないでしょうか。そして、その結果によって、来春のクラシックがますます楽しみになると思います」

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「パドックでは終始2人引きで、チャカチャカする仕草を見せて、フランケル産駒らしい勝ち気な面があります。また、デビュー戦から6kg減のファンタジーSでは、腹回りやトモを寂しく見せ、テンションも少し高くなっていました。それでも、一気にトップギアまで上げる鋭い反応と、搭載エンジンの違いを感じさせる爆発力を披露して完勝。危うい気性を踏まえても、その高い能力は魅力です。底知れぬポテンシャルを評価すれば、当然の1位です」

土屋真光氏(フリーライター)
「スタートで出遅れて、『やらかした!?』と思ったファンタジーSが、そこから余裕すら感じさせる切れ味を発揮して差し切り勝ち。"怪物"フランケルの遺伝子が強く伝わっている印象を受けました。そもそもフランケル自身、3歳までは折り合いに苦労していながら、それを凌駕する能力の持ち主でした。ミスエルテも同様の成長曲線を描くと考えれば、当然期待は高まります」

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