GI番長デムーロが、チャンピオンズCで居並ぶ古馬をアッと言わせる (2ページ目)

 先週はジャパンカップという国内最高峰のレースを制した武豊騎手。今週もかなりの手応えを感じているはずです。有力な1頭であることは間違いないでしょう。

 さて、ルメール騎手、武豊騎手とくれば、気になるのは、ミルコ・デムーロ騎手です。彼もまた、現在の日本競馬のカギを握るジョッキーのひとりですからね。先週のジャパンカップでも、「ヒモ穴馬」に取り上げたサウンズオブアースを、見事な騎乗で2着に持ってきてくれました。

 この秋だけでも、スプリンターズSとエリザベス女王杯を制覇。天皇賞・秋、ジャパンカップではともに2着と、抜群の成績を残しています。振り返れば、今年最初のGIフェブラリーSも勝って、クラシック開幕戦の桜花賞も優勝。ビッグレースにおける勝負強さには、恐ろしささえ感じるほどです。

 そういえば、昨年もこのチャンピオンズCで戴冠。12番人気のサンビスタを勝利に導いたことには驚かされました。

「GI請負人」デムーロ騎手騎乗で注目されるゴールドドリーム「GI請負人」デムーロ騎手騎乗で注目されるゴールドドリーム そして今年、デムーロ騎手が手綱を取るのは、ゴールドドリーム(牡3歳)。彼が乗るだけでも注目に値しますが、3歳馬ながらこの馬自身にも、可能性を感じるものがあります。

 何より、この春には3歳トップクラスが集うユニコーンS(6月19日/東京・ダート1600m)を快勝しています。東京のマイル戦は力勝負になりやすく、特に重賞となれば、フロックでは勝てません。しかも、同レースで離れた3着となったグレンツェントは、その後、3歳馬限定のGIIIレパードSを勝って、古馬混合重賞のみやこSでも2着と健闘。レースレベルも高かったと思います。

 3歳馬の「ダート王決定戦」となる地方交流GIジャパンダートダービー(7月13日/大井・ダート2000m)では、疲れがあったのか、ナイターに戸惑ったのか、3着に敗れましたが、前走の武蔵野S(11月12日/東京・ダート1600m)では古馬との初対戦で2着。力があることを再確認できたレースでした。

 1番人気のモーニン(牡4歳)をマークしていたのか、馬群に包まれてやや仕掛けが遅れ、勝ち馬にはうまく逃げ込みを図られてしまいました。しかし、馬込みの中で外から厳しく寄られたり、ぶつけられたりしながらも、怯むことなく、馬群を割って伸びてきました。その走りは、まさしくGIでも勝ち負けできるものでした。初めて手綱を取ったデムーロ騎手も、好感触を得たのはないでしょうか。

 休み明けを使って、上積みも望めます。3歳馬とはいえ、侮れない存在です。そこで今回は、この馬を「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。古馬一線級を相手に、アッと言わせるシーンを見せてほしいですね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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