荒れるGIチャンピオンズC。過去の波乱馬に似た2頭が砂嵐を起こす (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 そもそも中京のダート1800mは、コース形態が特徴的なため、波乱が起こりやすい。1、2コーナーの角度がタイトで、向こう正面は上り坂。さらに、そこから3、4コーナーにかけては長い下り坂となっていて、最後の直線では再び急な上り坂が待っている。そのため、道中のいたるところでペースの変化が起きやすい傾向にあるのだ。過去2回の結果は、まさにこのコースの難しさを物語っている。

 参考材料としては少ないものの、ここではその過去2回の結果から、今年波乱の立役者となりえる馬を探っていきたい。

 先述したとおり、過去2回で穴を開けたのは、2015年が勝ち馬のサンビスタ、2014年が2着馬のナムラビクター。実は、この2頭には共通点がある。

 それは、重賞レースに出走し続けていて、常に上位を確保していたことだ。

 例えば、サンビスタは前3走すべて地方交流重賞に出走し、2着、1着、2着という結果を収めていた。それ以前も、同馬は前年の夏からJRAと地方交流の重賞レースに参戦し続けていて、常に高いレベルで奮闘していた。

 一方のナムラビクターも、前4走はすべてJRAの重賞に出走。1着、5着、2着、3着と安定した力を見せていた。

 2頭とも勝ち味に遅いタイプではあったが、重賞レベルのどんなレースであっても、コンスタントに上位にくる底力と対応力があった。それが、中京の難コースで行なわれるハイレベルな戦いで、存分に生かされたのかもしれない。

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