「強くなったデス」と再来日の2頭。今年のJCは外国馬を侮れない (3ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 まず昨年と比較して目についたのが、馬体の充実ぶりだ。11月23日早朝の東京競馬場での調教に姿を見せたナイトフラワーは、牝馬特有の体の線を残しつつ、よりパンプアップしてグラマラスになっており、並んで現れたイキートス(牡4歳)の方がむしろ牝馬にすら見えるほどの逞しさを備えていた。実際に馬体重も、昨年のレース時は468kgだったのが、11月22日の計量で485kgと17kgも増えている。もちろん太めなどではない。

「確かに去年よりも大きく、そして力強くなりました。その分、馬にも自信がついたようにも思えます」(ギブソン助手)

 ナイトフラワーはこれが引退レース。母国ドイツで繁殖入りが決まっているだけに、大きな手土産を手にしたいはずだ。

 もう1頭ドイツから初来日のイキートスは、そのナイトフラワーと同じレースで2度勝利を収めている。11月22日の計量で416kgと小柄な牡馬だが、ソニア・ファーガソン調教助手はこう語る。

 充実の秋、4歳牡馬のイキートス 充実の秋、4歳牡馬のイキートス
「ドイツでは馬体重を量る習慣はありませんが、このぐらいでベストです。この馬の場合、420kgを超えるようだと逆によくない」

 実際、この馬体で9月以降にGIを3戦し、1着、5着、4着と安定した成績を残している。今週に入って例年より冷え込みがきつい東京の気候も、出発時のドイツの気温は3度だったとのことで大きなダメージはなく、むしろ大歓迎のようだ。

「できれば良馬場希望。3走前に勝ったGIバーデン大賞(9月4日/バーデンバーデン・芝2400m)は良馬場発表でしたが実際はものすごくのめる馬場で、それを克服したあたりに今の充実ぶりを感じ取ることができます」(ファーガソン助手)

 ここ数年、「その他大勢」の扱いを受けてきた外国勢だが、小粒に思える今年こそ一撃に警戒が必要だ。

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