ジャパンCでディーマジェスティの巻き返しが見込める「3つの理由」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 最大の要因は、やはり「長距離輸送」だろう。皐月賞、ダービーといった春のクラシックは関東で行なわれるため、関西馬はその時点ではもちろん、それよりも早くから長距離輸送を経験している。

 一方で、関東馬の牡馬は、あえて長距離輸送をする必要がない。牡馬クラシック戦線の王道を行く馬は、菊花賞で初めて長距離輸送を経験することになる。つまり、輸送そのものの負担もあるが、関東馬と関西馬との"輸送慣れ"の差が、菊花賞では微妙に結果に影響していると言われる。

 そういう意味では、4着に負けたとはいえ、そう悲観することはない。

 また、ジャパンCというレースに目を向ければ、ディーマジェスティにとって好ましいデータがある。

 過去10年の勝ち馬の中で、前走から連勝を飾った馬は、2頭しかいない。さらに、前走がGIという条件をつければ、2012年に秋華賞を勝って、ジャパンCも制したジェンティルドンナだけである。

 あのディープインパクトをはじめ、ウオッカも、ブエナビスタも、前走で苦杯を舐めながら、ジャパンCでは圧倒的な強さを見せた。ジャパンCの歴史そのものが、実は前走の敗戦からの"巻き返しの歴史"なのだ。

 菊花賞の敗戦から巻き返した例としては、2010年のローズキングダムがいる。ブエナビスタの降着があったにせよ、菊花賞で2着と涙を飲んだあと、ジャパンCで戴冠して雪辱を果たした。

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