天皇賞パス組の、キタサンブラックとゴールドアクターはJCで買いか

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

 今週27日は、東京競馬場でGIジャパンカップ(芝2400m)が行なわれる。ジャパンカップといえば、かつては海外の強豪を迎え撃つという図式だったが、外国馬の勝利は2005年のアルカセット以来途絶えており、2006年3着のウィジャボード以来馬券にも絡んでいない。単なる古馬の芝2400mGIという扱いになっているが、今年はなかなかの好メンバーが揃いそうだ。

 以前はGI天皇賞・秋の上位馬がジャパンカップに大挙出走し、好成績を残すことが多かったが、近年は馬の消耗を考え、天皇賞・秋→ジャパンカップ→有馬記念のGI3戦のどれかをスキップするパターンが増えてきた。今回は天皇賞・秋をスキップしてきた中からキタサンブラック(牡4歳、栗東・清水久詞厩舎)とゴールドアクター(牡5歳、美浦・中川公成厩舎)の2頭にスポットを当ててみよう。

 キタサンブラックは昨年のGI菊花賞(京都・芝3000m)を勝利後、GI有馬記念でゴールドアクターの3着。今年はGII大阪杯(阪神・芝2000m)2着を経て、GI天皇賞・春(京都・芝3200m)を逃げ切りGI2勝目。GI宝塚記念3着で春を終え、秋初戦のGII京都大賞典(京都・芝2400m)を勝ってここに臨んでくる。ここ7戦すべて3着以内に入り、敗れても0秒1差内と、非常に安定した走りを続けている。


GI2勝を挙げ、安定感抜群の成績を残しているキタサンブラックGI2勝を挙げ、安定感抜群の成績を残しているキタサンブラック
 唯一の大敗が、今回と同じコース&距離で行なわれた昨年の日本ダービー(14着)ということで不安視する見方もあるだろうが、同レースはミュゼエイリアンが1000m通過58秒8というハイペースを作り出し、2番手で追走したキタサンブラックには厳しい展開だった。今回のメンバー構成ではハイペースで逃げるような馬は見当たらず、マイペースの逃げ、または2番手という、いつもの競馬ができそうだ。日本ダービーを除けば、東京コースでは芝1800m、2000mで2戦2勝と好成績を残しており、左回りや東京コースに対する不安はない。

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