マイルCSで波乱を起こした伏兵と合致する「3頭の穴馬」が見つかった (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 そして今回のメンバーを見渡したとき、2014年のダノンシャークと極めて似ている馬がいる。フィエロ(牡7歳)である。

本番での巻き返しが期待されるフィエロ本番での巻き返しが期待されるフィエロ まずは、2014年のダノンシャークから振り返ってみたい。同馬は前年(2013年)のマイルCSでも、3着とトップ争いを演じていた馬だった。2014年前半は白星こそ得られなかったものの、春のGI安田記念(東京・芝1600m)で4着に入るなど、それなりの成績は残していた。

 ではなぜ、マイルCSで評価を落としたのか。

 大きかったのは、直前の富士Sで1番人気ながら7着に敗れたことだ。しばらく白星がないことも相まって「衰え」のイメージがつき、本番では8番人気まで評価を落としたのだった。

 しかし、結果は多くの難敵を蹴散らして快勝。念願のGI初制覇を飾って、改めて力があることを証明した。

 今年のフィエロの臨戦過程は、まさにそれと重なる。

 昨年のマイルCSでは、2年連続の2着と奮闘。マイル路線ではトップクラスの実力馬であることを再度示した。さらに今年も、いまだ勝ち星はないものの、春の安田記念では勝ち馬からコンマ2秒差の3着に入っている。

 それが、前走のスワンSでは、1番人気に推されながら、9着と馬群に沈んだ。この結果、人気落ちは必至。上位グループよりも、ワンランク下の評価まで下がりそうなのだが、ダノンシャークの例からすれば、巻き返してもおかしくない。

 同年の安田記念で好走している馬は、たとえ前哨戦でつまずいても、評価を下げるのは禁物。フィエロの一発を期待するのは悪くない。

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