期待の女性騎手・藤田菜七子がアブダビ遠征の木馬指導で感じたこと (4ページ目)

  • 土屋真光●文・写真 text & photo by Tsuchiya Masamitsu


 ゴール後にも意外な洗礼が待ち受けていた。今回のレースは全馬の負担重量が62kgのため、普段の日本の競馬より5kg以上も鞍が重くなっていて、鞍だけで20kg近い。脱鞍をするのが、日本と異なりコース上で行なわれるため、レースを終えて疲れた体にはこれが思いのほか堪えることとなった。結果も奮わず、疲労困憊の色を見せていた藤田騎手だったが、前述の現地日本人応援団と顔を合わせると、ようやく明るい菜七子スマイルが戻ってきた。

「初めての競馬場でわからないことが多かったですが、主催者のみなさんがとてもよくサポートしてくださったおかげで、海外で初騎乗できて、とてもいい経験をさせてもらえました。今回は勝つまではいかず悔しかったですが、海外でいつか勝てることを目指しながら、日本でも頑張ります。またここに来たいですね」

 藤田は明るい表情を見せ、翌日午後、再び日本へと戻っていった。

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