左回り、距離、今季実績...不安ありのモーリスは天皇賞・秋を勝てるのか (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki


 父スクリーンヒーローは現役時代、芝2400mのジャパンカップ、芝2500mのアルゼンチン共和国杯を制している。その父グラスワンダーも芝2500mの有馬記念2勝に芝2200mの宝塚記念を制した。また母メジロフランシスの父カーネギーは凱旋門賞馬で、母の母メジロモントレーも現役時代は牡馬相手に2000m以上の重賞を3勝した。血統だけ見れば、むしろマイルよりは中距離の方が、と思わせるが、実際のキャラクターとしてはマイル向きなのだと、豊島氏は指摘する。

「これは血統よりも気性面なのでしょう。札幌記念ではモレイラ騎手が上手に折り合わせていましたが、それでも直線の伸びが案外で、勝ったネオリアリズムにあっさり逃げ切られてしまいました。もちろん馬場とかもあるでしょうが、とはいえネオリアリズムに0.3秒差というのは不満が残るところ。3歳時なので参考にはしにくいですが、2200mの京都新聞杯がキャリアで最も悪い着順だった7着。要するにこれぐらいの距離では自慢の末脚を使えないということでしょう」

 さらに豊島氏は、「ピークはすでに越えた」と感じるという。

「もとをたどれば2歳時から高い能力を発揮していた馬。デビュー2戦目の京王杯でも単勝1.5倍に支持されるぐらい、デビュー戦の内容が出色でした。どうしても4歳の昨年の躍進が大きかったのと、父スクリーンヒーロー、同じ父を持つゴールドアクターが4歳にブレイクした印象から晩成のイメージが先行していますが、決して晩成ではなく、昨年がピークだったんではないですかね」

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