菊花賞で金星を挙げる条件を発見!「2強」を負かす候補は3頭いる (4ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 前者の父はステイゴールド、後者の父はネオユニヴァースと、どちらも中長距離に秀でた血統である。翻(ひるがえ)って、母父にはスピード色の濃い馬名が記されている。

 シュペルミエールの母父はクロフネ。同馬は、種牡馬としてスリープレスナイトやカレンチャンなど、スプリントGIを勝った産駒を次々に輩出。マイルGI馬も出していて、まさにスピード系の血統だ。

 そして、ジュンヴァルカンの母父エンドスウィープは、2000m以上のGIを勝った産駒もいるが、総合的には短距離で活躍する子を多く出している。マイルGI2勝のラインクラフトや、ダートの短距離戦で鳴らしたサウスヴィグラスなどがそうだ。

 長距離戦の下級クラスを連勝しているシュペルミエールとジュンヴァルカン。距離に不安がないうえ、血統にはスピード色が混ざっている。近年の傾向から言って、この2頭なら「2強」を上回る結果を出してもおかしくない。

 ところで、冒頭で記したビッグウィーク、スリーロールス、ソングオブウインドの成績を振り返ると、3頭とも菊花賞までは2000m以下のレースでしか勝っていなかった。要は中距離以下で高い能力を発揮してきたタイプであり、そうした点からも菊花賞で穴を開けるには、やはり"スピード"が重要視されるのではないだろうか。

 であれば、今年の菊花賞メンバーの中で、2000m以下の実績に秀でており、なおかつ人気の盲点となりそうな馬がいれば、それもまた「穴馬」として面白い。

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