出るか1千万馬券。実は「荒れない」秋華賞も、伏兵馬は2頭いる (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 2011年のキョウワジャンヌは、夏場に500万下、1000万下と条件戦を連勝したあと、ローズSでも3着と奮闘。前哨戦で力を示すと、秋華賞本番ではさらに強さを発揮して、7番人気で2着入線を果たした。これと同じようなパターンで、2007年のレインダンスも7番人気ながら2着と好走している。

 要するに、秋華賞でまず注目すべきは、夏に下級条件を勝ってトライアルで3着以内に入った馬だ。

 今年、そのパターンに当てはまるのは、紫苑Sで2着に入ったヴィブロスのみ。例年であれば、最も狙い目の"伏兵馬"だが、有力馬が次々に戦列を離れた今回は、同馬が3番人気以内になる可能性が高い。できれば、それよりも人気薄を狙いたいところ。

 そこで浮上するのは、ミエノサクシードだ。トライアルには出走していないものの、「上がり馬」として魅力的な1頭である。

 今年1月にデビューしたミエノサクシード。未勝利を卒業するまでに5戦を要し、その後も500万下条件をなかなか勝ち切れずにいた。しかし、9月に入ってから激変し、500万下、1000万下と連勝を飾る。しかも、2戦とも上がりは33秒台をマークし、強烈な切れ味で同世代のライバルや古馬たちを一蹴した。

 トライアルで同世代の一線級と戦っていない点が懸念されるが、それでも「上がり馬」が良績を収めている秋華賞。狙ってみる価値は、十分にある。

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