出るか1千万馬券。実は「荒れない」秋華賞も、伏兵馬は2頭いる (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 三浦晃一●撮影 photo by Miura Koichi

 過去10年の秋華賞の傾向を見てみると、決してそうではないことがわかる。2008年こそ大荒れとなったが、それ以外の年は、むしろ「堅いGI」と言っていいほどの決着で収まっている。

 過去10年の勝ち馬は、2008年のブラックエンブレムを除いてすべて3番人気以上。また、上位3着までのうち、2頭以上が1〜3番人気だった年は、10回中7回を数える。つまり、傾向としては、上位の人気馬が確実にくるレースと言える。

 もちろん、人気以上のパフォーマンスを示して、3着以内に飛び込んだ馬もいる。ただその場合も、ほとんどは4〜8番人気の馬たちで、大穴が飛び込んでくることは稀(まれ)だ。そうなると、秋華賞は「荒れないGI」と考えたほうがいいのかもしれない。

 とはいえ、"穴党"の出番がまったくないわけではない。1〜3番人気の2頭に、やや人気の落ちる4〜8番人気の伏兵馬を1頭絡めるなどして、馬単や3連単で少しでも"オイシイ"配当を狙う手はある。

 そこで、過去の傾向から、人気薄でも3着以内に飛び込んできそうな"ダークホース"を、ここでは探ってみたい。

 その観点からいくと、秋華賞で明らかなトレンドとなっているのは、「夏の上がり馬」である。

 例えば、2014年のタガノエトワール。同馬は9月に未勝利を勝ち上がったばかりだったが、次走のローズSで2着と激走すると、その勢いのまま、秋華賞でも4番人気で3着に入った。

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