母から「ゲルマン魂」を受け継いだアルミレーナは、小さな筋肉娘 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 それから半年ほどが経って、すでにアルミレーナは美浦トレセン(茨城県)の国枝栄厩舎に入厩している。デビュー戦は、10月22日の2歳新馬(東京・芝1600m)になる見込みで、鞍上は蛯名正義騎手が務める予定だ。

 入厩してからも、体の細さはまだ課題としてあるようだが、スタッフに話を聞くと、この馬に対する期待の高さがうかがえるという。関東競馬専門紙のトラックマンが仔細を伝える。

「国枝調教師は、『体重が430kgほどと小さく、もうちょっと体が増えてくれれば......』と話していますが、別のスタッフは『小さいけど、ハリのある馬体。いい筋肉をしている』と評価しています。そして、これから調教を強めるうちに、さらに動きがよくなってくると見込んでいます」

 スタッフが好評価を与えるのは、馬体は小さくても「調教で体重が減ることが少なく、安定している」ということも大きいようだ。また、前述のトラックマンは「あるスタッフからは、『気性も悪くないし、なかなかいい馬。これなら、デビュー戦からいい勝負ができるのでは』という声が聞かれました」と、明かしてくれた。

 本格的な調教をする前の段階だからこそ、国枝師のアルミレーナに対するジャッジは渋かったかもしれない。だが、スタッフの言葉からは、将来に期待膨らむ素質馬であることが十分に伝わってくる。ドイツで活躍した母の子が、日本の舞台で輝かしい軌跡を刻むことができるのか、注目したい。

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