「武豊で凱旋門賞へ」オーナーが大いなる夢を抱く素質馬ヴィニー (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 松島氏が落札した高額馬2頭のうち、1頭がヴィニーである。母コケレールがフランスのGI馬で、1億3500万円(税抜き)で落札された。デビュー戦の鞍上を務めるのは、もちろん武豊騎手だ。

 オーナーの夢が存分に詰まった若駒は、これまでの過程においても、関係者から高い評判を得ている。同馬の育成を担当したノーザンファーム空港牧場の中川晃征氏は、今春の取材でこうコメントしていた。

「ディープインパクト産駒の牝馬にしては馬格があって、アカ抜けた馬体ですよね。顔つきも父親にそっくりです。僕の厩舎で手がけたディープ産駒の中では、馬体、精神面ともに大物感を感じますね。期待していますし、牡馬と一緒に戦えるように育ってほしいと思います」

 ヴィニーを管理するのは、栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎。デビューへ向けて、ここでも精力的な調教が行なわれており、スタッフからも前向きな声が聞かれるようだ。関西競馬専門誌のトラックマンが語る。

「スタッフからは、『なかなかのスピードを持っているし、気性はおとなしくて扱いやすい』との評価が聞かれます。他馬と併せて調教すると、いい動きをするようです。馬体も牝馬にしては大きく、480kgほどあります。『これからよくなってきそうだし、うまく成長すれば"大物"になるかも』とのことです」

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