絶対王者がいても「荒れる」スプリンターズS。穴候補は2頭いる (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 過去の穴馬を注視してみると、他にも興味深いファクターがあることがわかる。それは「GI実績」である。

 記憶に新しいところでは、2014年に優勝したスノードラゴンだ。前走のキーンランドCで8着と敗れたこともあって、当日は13番人気の"大穴"となったが、同馬はその年の春に行なわれた高松宮記念の2着馬だったのだ。

 また、2006年に10番人気で2着に入ったメイショウボーラーは、そもそもダートのGIフェブラリーS(東京・ダート1600m)の勝ち馬。2歳時にはGI朝日杯フューチュリティS(中山・芝1600m)で2着、3歳時にはGI皐月賞(中山・芝2000m)、GINHKマイルC(東京・芝1600m)で3着という実績を誇る。

 しばらく勝ち星に恵まれず、直前のセントウルSでも7着に沈んだため、人気は急落していたが、大舞台で"意地"を見せたと言える。

 その他、「大穴」とまではいかないが、2009年に6番人気で優勝したローレルゲレイロも同年春の高松宮記念優勝馬だった。その後、GI安田記念(15着。東京・芝1600m)、直前のセントウルS(14着)と大敗して人気を落としていたが、スプリンターズSで見事に復活を果たした。

 要するに、直近の成績が芳しくなくても、かつてのGI馬であったり、GIで好勝負を演じたりした馬は要注意なのだ。

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