絶対王者がいても「荒れる」スプリンターズS。穴候補は2頭いる (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Eiichi Yamane/AFLO

 過去に波乱を起こした馬で、まず目につくのは、北海道開催のスプリント重賞を好走しながら、人気の上がらなかった馬だ。

 昨年3着のウキヨノカゼは、8月に行なわれたGIIIキーンランドC(札幌・芝1200m)を勝っていながら、9番人気と評価は上がらなかった。2012年に3着に入ったドリームバレンチノも、直前のキーンランドCこそ7着に敗れていたが、その前のGIII函館スプリントS(函館・芝1200m)では快勝していた。それでも、本番では9番人気と伏兵扱いだった。さらに、2011年に2着と好走したパドトロワも、前走のキーンランドCで3着と奮闘していたものの、9番人気の低い評価にとどまった。

 夏場のスプリント戦は「格が一枚落ちる」という見方もあって、たとえそこで好走しても、高い評価を得られないことが多い。ゆえに、GIの舞台となれば、余計に人気が上がらない。しかし実際は、北海道開催のスプリント重賞で好結果を残した馬が、スプリンターズSでも上位に入線するケースが多々ある。

 その観点を重視すれば、今年も面白そうな存在がいる。レッツゴードンキ(牝4歳)だ。

スプリンターズSではレッツゴードンキが波乱を起こす!?スプリンターズSではレッツゴードンキが波乱を起こす!? ここ2走は、函館スプリントS、キーンランドCと立て続けに3着と好走しているが、それぞれの上位馬が本番にも顔をそろえ、人気が上がる気配はない。だが、2015年のGI桜花賞(阪神・芝1600m)の勝ち馬であり、底力は十分。過去のケースも踏まえて、アッと驚く激走があってもおかしくない。

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