凱旋門賞制覇に着々。マカヒキは
調教もレースまでの過程も順調

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu photo by PanoramiC/AFLO


「それでいて、競馬に向くとガラっと気持ちが入るというか、前向きになる。とにかくオンとオフがはっきりしていて、オフのときは無駄なことはせず、オンのときにしっかりと力を出してくれる」

 厩舎としても初の海外遠征。しかも凱旋門賞とあっては過剰に力が入ってしまいそうなところだが、マカヒキが"普段どおり"でいることでスタッフ側にもいい効果を与えていると見ていいだろう。

 マカヒキのこうした泰然自若な様子が運も引き寄せたのか、馬場状態も味方しそうだ。今年は例年よりも冷え込みが早く、馬場が重くなりやすいシャンティイ競馬場のコンディションがより悪くなるのではという懸念があったが、木曜日の時点で、日本で言うところの良馬場に近い水分コンディションを保っている。もちろん、イメージほどディープインパクト産駒は重い馬場を苦手とはしていないが、タフな馬場は欧州を主戦場とする馬たちにもプラスに働いてしまう。それだけに硬めの馬場こそ、マカヒキの望むところだ。

 今年の凱旋門賞から日本でも海外の大レースの馬券発売が始まることもあって、今週に入ってスポルティーバではより客観的な視点を重視し、従来あったような「マカヒキ頑張れ」というトーンを抑え目に記事をお届けしてきた。しかし、日本競馬の悲願に挑戦するマカヒキを応援する気持ちは持ち続けている。

"今年こそ"が日曜日に訪れることを心待ちにしたい。

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