心情とお金は別だ! 凱旋門賞の馬券は人気薄外国馬を狙い撃ち (2ページ目)

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by PanoramiC/AFLO

 7番人気以下で勝利した3頭の血統を調べると、いずれも血統背景が素晴らしい馬たちばかり。トレヴは"鉄の女"と呼ばれ日本でも出走したトリプティクや、英愛ダービー馬ジェネラス、日本でもダート戦線で活躍したフリオーソ、今年の皐月賞馬ディーマジェスティなどと同じファミリーの出身。デインドリームも近親にフランスのGI馬が多数で、日本でもサクラローレル(有馬記念、天皇賞・春)、キンシャサノキセキ(高松宮記念2連覇)、タイムパラドックス(ジャパンCダートなどGI5勝)などと同じファミリー。さらにソレミアも、仏2000ギニーのグリーンダンサー、英ダービー馬オーソライズド、今年の仏2000ギニー馬ザグルカなどがいるフランスの名門だった。このような良血馬は時に、世界各国の馬たちが集結する大舞台でも、短期間での急激な成長や勝負強さを見せることがあるのだ。

 今年の出走馬でそれに当てはまる血統馬として、筆者が本命に挙げるのはフランスの3歳牝馬レフトハンド(仏・C.ラフォンパリアス厩舎)。2走前にGIIIプシケ賞(ドーヴィル・芝2000m)で重賞初制覇を飾り、前走のGIヴェルメイユ賞(シャンティイ・芝2400m)でGI初制覇を果たしたいわゆる"上がり馬"だ。GIホースとはいえヴェルメイユ賞は牝馬限定で、今回のメンバーでは実績的に格下感があるが、上昇度は一番といってもよいだろう。父ドバウィは今回の最有力馬と見られているポストポンドと同じ。母の父シングスピールとの組み合わせは日本のダート戦線で活躍中のモルジアナと同じだが、レフトハンドはその奥のスタミナ血脈が豊富なため、違ったタイプに出ている。

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