父ディープの無念を晴らす。凱旋門賞に挑むマカヒキに勝機あり (4ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by AFLO

 ルメール騎手にとっても、02年に2番人気のセンシブルで初騎乗、11年には1番人気のサラフィナで挑みながら7着に終わるなど、未だ勝利のない凱旋門賞は悲願中の悲願だ。昨年、JRAの通年免許を取得した際に「日本調教馬で凱旋門賞を勝ちたい」とも口にしていただけに、俄然力の入る一戦となるだろう。37歳のルメール騎手にとって、近年、凱旋門賞を初めて制する騎手の大半が30代前半までの年齢だったというデータ(過去30年では、35歳以上で初勝利は05年のキーレン・ファーロン40歳、04年のティエリ・ジレ35歳のみ)の壁もある。

 人馬ともに越えるべき壁は高く、分厚い。しかし、追い風となる要素もある。強力なライバルの1頭と目されていたフランスの無敗の3歳牝馬ラクレソニエールがレースを1週間後に控えたところで回避を表明。ここまでGIを6勝しているクールモアの3歳牝馬マインディングも凱旋門賞に向かわないことが明らかになった。また、今年はロンシャン競馬場の改修に伴って舞台を移すシャンティイ競馬場は、マカヒキと同じくディープインパクトを父に持つエイシンヒカリが、今春GIイスパーン賞で後続をぶっちぎる快勝を演じた地である。

 今回より発売される馬券的見地では"うまみ"がないかもしれないが、それは別として、「今年こそ」がここで果たされるのか。日曜日深夜まで目が離せない。

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