父ディープの無念を晴らす。凱旋門賞に挑むマカヒキに勝機あり

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu  photo by AFLO

海外馬券発売開始! 2016凱旋門賞 (1) 

 今年もGI凱旋門賞(フランス・シャンティイ・芝2400m)が週末に迫ってきた。芝2400mにおける世界最高峰のレースであり、日本競馬の悲願でもあるこの競走。今年はふたつの意味で、日本で大きく注目を集めている。ひとつはマカヒキ(牡3歳/父ディープインパクト)の挑戦。もうひとつは、日本における初の海外競馬の馬券発売である。

前哨戦ニエル賞に勝って、凱旋門賞に挑むマカヒキ前哨戦ニエル賞に勝って、凱旋門賞に挑むマカヒキ

 日本の調教馬が凱旋門賞に挑むのは、1969年のスピードシンボリが皮切りだった。今から47年前。現在では当たり前になった海外遠征も、当時はまったくの手探り状態。結果は着外(当時フランスでは11着以下は記録されなかった)。以来、72年にメジロムサシが18着、86年にシリウスシンボリ14着と、爪跡も残すことができず、凱旋門賞制覇は夢のまた夢、遠い世界の出来事と見られるようになった。

 それが日本競馬にとっても現実的なものとして近づいたのが、99年に挑戦したエルコンドルパサーだった。3歳時にジャパンカップを制し、翌年春からフランスへの長期遠征を敢行。GIイスパーン賞2着、GIサンクルー大賞1着、GIIフォワ賞1着を経て臨んだ凱旋門賞で、当時の3歳最強馬モンジューと死闘の末に2着となった。敗れはしたものの、日本調教馬にとって凱旋門賞制覇が決して夢物語でないことを実感させた一戦だった。

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