起死回生の一発!? 「旅打ち」最後の勝負にひと筋の涙がつたう (2ページ目)

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu


紙パックの横に記されていた「初志貫徹」の文字紙パックの横に記されていた「初志貫徹」の文字 まるで、ワシの迷いを見透かされたかのような気になった。ワシは少々落ち込んだ。しかし、「金の烏龍茶」が体に染み渡って、元気が少しだけ戻ってきた。マイナス思考を振り払うように頭を振る。

「そうだ、ワシは"旅打ち"に来ているのだ。最後まで、しっかり戦い切ろうじゃないか!」

 気持ちを新たにして、この「旅打ち」最後のレースに挑んだ。全身全霊を込めた予想で導き出したのは、グリグリの1番人気となっている6番コスモアルドラを2、3着に回して、前走の勝ち方が鮮やかだった9番ブランニューを1着に置いた3連単。その他、保険となる組み合わせの3連単と、ブランニューを軸とした3連複を購入した。

身も心も限界に近づく中、誤って購入してしまった馬券身も心も限界に近づく中、誤って購入してしまった馬券 高めがくれば、今日の負けは挽回できるはず。そう思いながら、購入した馬券を新聞の上に並べて写真を撮ろうとした。その刹那、何か違和感を覚えた。よぉ~く見てみると、6番と8番を間違えて買っているではないか!?

 8番は無印のエアマニング。確かに、来ればデカい。大穴中の大穴である。が、グリグリの1番人気と間違えての購入はいただけない。締め切りが迫る中、大慌てで1着=9番、2着=6番と固定した3連単を3点だけ追加で購入した。財布からは福沢諭吉どころか、お札がなくなっていた。

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