国内競馬場、完全制覇! 初めて訪れた佐賀競馬場で感慨に浸る (4ページ目)

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu

「ワタナベぇ~、頼むぅ!!」

 ワシは必死に叫んだ。激しい競り合いは最後まで続いて、まさしく横一線の状態で3頭がゴールに飛び込んでいった。

 勝負は、写真判定。勢いは、外のコンゴウサクラ。3番、5番、1番という結果になれば、結構な配当になるはずだ。

 しばらくして、着順掲示板に番号が点滅した。1着、5番。2着、1番......。愕然とした。この「旅打ち」一番の投資金が一瞬にして散った。

 気を取り直して挑んだ第2レース。人気どおりの決着で、難なく馬券も当てた。だが、3連単の配当がまさかの360円。完璧なトリガミに終わった。

 ここで、ふと思い返した。そういえば、笠松競馬でも最初に自身が本命にした馬が3着止まり。次のレースがトリガミだった。

「これはある意味、勝ちパターンなのでは?」

 早々にでかい損失を出しておきながら、無駄にポジティブな気分になって、ワシは次のレースに向かっていた。その考えが浅はかだったことを、数時間後に思い知らされることも知らずに......。

 佐賀競馬における暑い"地獄の一日"の幕開けである。

(つづく)

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