真夏の小倉競馬場で、昼からほろ酔いになって「悪夢」を見る (2ページ目)

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu

「まあでも、人気サイドで決まったら、そんなに儲からないし、余計な出費がなくていいか」と思っていた。が、ゴールドラッシュが抜け出したところに、大外からメイショウメリリーが強襲して快勝。なんとメイショウメリリーは15番人気で、2頭の馬連複の配当は2万6220円という超万馬券に!

 逃がした魚は大きかった......。こういうことがあると、得てして調子が悪くなるものだが、このあと、まさにそのとおりの展開となった。

 第7レースは本命にした2番人気の7番スマートノエルが勝つも、2着馬を買えずハズレ。障害重賞の小倉サマージャンプが行なわれた第8レースも、軸にすべき馬をヒモに回してしまい、75倍強の3連複をまんまと逃した。

「これは、マズい流れだ......」

 そう思って、第9レースはひと呼吸置くために見送った。しかし、競馬をやっている方なら、よくわかるはずである。一度悪い流れにはまったら、そこから脱出するのは極めて困難だということを......。

同時開催の新潟、札幌のレースにまで手を出すも、馬券は紙くずに...同時開催の新潟、札幌のレースにまで手を出すも、馬券は紙くずに... 第10レースは、不知火特別。芝1800mのハンデ戦である。ここはグリグリの人気でも、「4番テーオービッグバンで間違いないでしょう!」とガツンッと突っ込んだら、5着惨敗。さらに、同時開催の新潟競馬第10レースにまで手を出すと、今度は人気馬を嫌ったことによって馬券が紙くずと化した。

 酔いはすっかりさめたが、もはや冷静な状況ではいられなくなっている。同じく同時開催の札幌競馬のレースまで買い漁るも、狙いとは逆の結果ばかり。小倉の第11レースで、5番グレナディアーズとどちらか悩んだ末に切った8番サンライズホームが、早め先頭から押し切ったときにはヒザから崩れ落ちた。

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