札幌記念は、吉田隼人騎乗のヌーヴォレコルトに打倒モーリスを託す (2ページ目)

 そう考えると、20代半ばでまだ経験が浅いT・ベリー騎手から、話題のJ・モレイラ騎手に鞍上が替わる今回は、折り合い面での不安も解消され、そんな他馬との違いを見せてくれるのではないか、という期待が高まります。

 J・モレイラ騎手は32歳ながら、その年齢以上の巧さ、円熟味のある騎乗を見せてくれます。この春には香港でモーリスの手綱も取っていて、その際に「距離は大丈夫」という感触もおそらく得ているはずです。

 また、ここを使うのも、J・モレイラ騎手が乗れるからではないでしょうか。とすれば、なおさら負けるシーンを想像することができません。ここでマイルの壁を破って、秋には天皇賞・秋(10月30日/東京・芝2000m)へ駒を進めてほしいですね。

 他のメンバーは、正直一枚、いや二枚は格が落ちます。モーリスとは、役者が違う感じがしますね。

オークス馬のヌーヴォレコルトが波乱を演出するか!?オークス馬のヌーヴォレコルトが波乱を演出するか!? そんな中でも、唯一可能性を感じている馬がいます。GI馬でもあるヌーヴォレコルト(牝5歳)です。馬の出来や能力うんぬんの前に、鞍上が吉田隼人騎手ということで、食指が動きます。

 昨年末の有馬記念では、ゴールドアクターに騎乗して優勝。それまでも巧いジョッキーでしたが、それ以降、より自信を持って騎乗しているように見えます。

 それでも、いまだ主戦場は"第三場"のローカル開催。中央のトップジョッキーというまでには至っていません。失敗すれば乗り替わり、という心配が常につきまとっています。

 ただ今回は、先日騎乗停止となった武豊騎手の代打騎乗。次は武豊騎手に戻ることが決まっていて、まさに1回だけのチャンスです。それが逆に、いい面に出るのではないでしょうか。失敗を恐れず、積極果敢な騎乗ができると思うからです。

 有馬記念に続いて、またも"大物食い"をやってくれるかもしれませんね。そんなモーリス逆転の可能性も含めて、このヌーヴォレコルトを札幌記念の「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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