西の「旅打ち」は、オグリキャップを生んだ笠松競馬の特別席から (5ページ目)

  • 土屋真光●旅人 Traveler&text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 なお、地方競馬のこうした指定席ではソフトドリンク無料のところが多い。今日のような日は水分補給だけでもかなりの出費になりそうだから、そうしたサービスで十分に元は取れる、といったところか。

 階段を上るだけで汗が吹き出たが、辛抱して3階まで上がると、エアコンによる快適な涼空間が待っていた。

「生き返るぅ~」

 思わず口から漏れた言葉に、周囲にいたギャンブルおじさんたちが「だよねぇ~」といった視線を送ってきた。

 涼しさを手に入れたら、次はのどを潤したい。概して、こうした特別席の飲料はカップ式の自動販売機が無料開放されているのが主流である。

 さて、自動販売機はどこに? 辺りを見渡してみても、有料のカートカン(紙製の缶)飲料の自販機こそあるが、カップ式のものはない。

「あのぉ~、無料のドリンクはどこでしょう?」と、スタッフのおばちゃんに聞いてみる。すると、「無料なのはお茶だけよ」となんとも無情な回答。

 えぇ~ッ!? それが楽しみで600円も払ったのにぃ~(泣)。

 しぶしぶ「冷」と記された緑茶ボタンを押す。「こういうのは、得てしてヌルイんだよなぁ」と思いながらグッと飲むと、ほどよい冷たさがスーッとのどをクールダウンしてくれた。

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