差し馬優位の関屋記念。狙うは、前走で痛恨ミスのダノンリバティ (2ページ目)


関屋記念で一発が期待されるダノンリバティ関屋記念で一発が期待されるダノンリバティ ケントオーと同じく、うまく脚をためていました。ただ、ケントオーよりも前に位置していながら、直線を迎えてから大外に回してしまいました。名手・武豊騎手にしては、珍しいミスチョイスだったと思います。

 確かに外が伸びる馬場でしたが、あそこまで外に出してしまうと、かなりのロスとなります。また、それまでのレースでもそこを通った馬が少なかったでしょうから、あまり踏み固められておらず、逆に馬場が重かったと思います。そう考えると、ダノンリバティはよく走っています。

 関屋記念では、当初予定していた武豊騎手が騎乗停止になってしまったので、若手の松若風馬騎手が鞍上を務めます。とはいえこの春、彼が3回騎乗して、六甲S(3月27日/阪神・芝1600m)ではピークトラムらを差し切って勝利を挙げています。彼らしい思い切った騎乗が実れば、一発あってもおかしくありません。そこで今回は、この馬を「ヒモ穴馬」に指名したいと思います。

 さて、中京記念組以外の別路線にも、注意が必要な馬はいます。すっかり安定した走りを見せるようになったヤングマンパワー(牡4歳)です。全国リーディングトップの戸崎圭太騎手が引き続き手綱を取るとなれば、なおさら無視することはできません。

 戸崎騎手は、先週のレパードS(=グレンツェント)でも絶妙な騎乗で優勝。エプソムC(=ルージュバック)、七夕賞(=アルバートドック)に続いて、この夏早くも重賞3勝です。今、乗りに乗れているジョッキーで、当然今週の騎乗ぶりからも目が離せません。

 そしてもう1頭、どうしても気になる馬がいるので、最後に触れておきます。たぶんダノンリバティより、さらに人気はないと思いますが、メンバー中、唯一のGI馬であるクラリティスカイ(牡4歳)です。

 鮮やかな勝利を飾ったNHKマイルC(2015年5月10日/東京・芝1600m)以降、まったくいいところがなく、大敗ばかり。前走ではついにダート戦を使われましたが、そこでも見せ場なく、大敗(13着)を喫しました。

 最近のレースぶりを見ると、どうも目一杯走っているようには思えません。何か走る気をなくしていて、能力の半分も出し切れずに、そのまま大敗してしまっている印象を受けます。

 ただ今回は、転厩初戦。しかも、栗東から美浦という、大きな環境の変化がありました。加えて、鞍上はクセ馬を御すことに長けている田辺裕信騎手が務めます。

 GI制覇時と同じ、左回りのマイル戦となる今回、激変があっても不思議ではありません。「ヒモ穴馬」に挙げるまでには至りませんでしたが、気になる存在です。

大西直宏オフィシャルブログ>

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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